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コンクリート構造物の補修・補強に関するフォーラム、コンクリート構造物の補修・補強材料情報
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2019年5月20日 中建日報

広島会場に延べ1500人参加
「鉄筋防錆からの健康寿命」がテーマ
コンクリ補修・補強フォーラム

2019年5月20日 中建日報 | 一般社団法人コンクリートメンテナンス協会
 (一社)コンクリートメンテナンス協会(徳納剛会長)が毎年全国で開催している『コンクリート構造物の補修・補強に関するフォーラム2019』が15日と16日、広島市中区のJMSアステールプラザで開かれ、発注者やコンサル、コンクリート技術者など2日間で延べ約1500人が参加した。今後、9月下旬までに東京、大阪を含む全国16会場で開き、維持管理の最新知見や技術動向などを伝える。
 この日は山口会場(5月13日)に続く2会場目。今年は、「鉄筋防錆の観点からコンクリート構造物の健康寿命を考える」がテーマで、健康寿命を延ばすための維持管理の基本概念や最新技術の紹介に加え、鉄筋防錆の中でも特に電気化学的防食工法と亜硝酸リチウムの定量的防錆工法に焦点を当てた内容。事務局によれば、現時点ですでに昨年の実績を上回る8500人超の参加申し込みが来ているという。
 徳納会長(福徳技研)は代表者あいさつで開催趣旨等を説明したのち、「確実に劣化が進むコンクリート構造物に対して適切な調査、診断、補修設計・工事を行うことは、維持管理に関わる技術者の責務。本フォーラムが技術者の皆さんの光明になるよう努めたい」と述べた。
 講演者は、2日間で総勢12人が登場した。まず、中国地方整備局の藤原浩幸道路保全企画官は、「社会資本のメンテナンスについて考える」と題し、社会資本の老朽化対策への流れや中国地整における取り組み内容などを紹介。近未来コンクリート研究会の十河茂幸代表は、「長寿命化のための点検要領」の中で「道路橋の75%を占める小規模橋梁の予防保全が鍵」と指摘し、人材や予算に乏しい市町でも可能な点検要領の骨子案などを説いた。
 また、2日ともに登壇した同協会の江良和徳技術委員長(極東興和)は、「維持管理シナリオを考慮したコンクリート補修の考え方」として烈火のメカニズムや補修工法の選定など基本を伝授するとともに、「鉄筋腐食の観点からみた亜硝酸リチウムによる補修技術」では、表面含浸やひび割れ注入、内部圧入まで幅広く活用できる亜硝酸リチウム工法の有用性を強調。
 このほか、広島工業大学の竹田宣典教授は、「長寿命コンクリート構造物を目指して~錆びない、朽ちない健康コンクリート~」、芝浦工業大学の濱崎仁教授は「軍艦島におけるRC建築物の状況と保存・修復のための取り組み」、京都大学大学院の高谷哲助教は「コンクリート中における鉄筋腐食のメカニズムと防食工法」、ナカボーテックの篠田吉央氏は「電気化学的防食技術と健康寿命」、(一社)STTG工法協会の佐藤亘業務執行理事は「STTG工法の各種試験結果と施工実績について」、エス・エルテックの池田幹友氏は「亜硝酸塩の有効的な工法の紹介」、CORE技術研究所の真鍋英規氏は「プレストレストコンクリート構造物の有効な維持管理」、日本ペイントの中丸大輔氏は「コンクリート塗装材の役割~視認性塗料と剥落防止塗料~」、(一社)セメント協会の早野博幸氏は「セメント系補修補強材料の基礎知識~ひび割れ注入工法と断面修復工法を中心に~」をテーマにそれぞれ持論を述べた。