山口フォーラム二日目
参加申し込み総数:287
内発注者:55
参加者総数:222
内発注者:44
参加率:77.4%
10:00~10:05 主催者挨拶、趣旨説明
(一社)コンクリートメンテナンス協会
会長 徳納 剛
会長挨拶
本日は平日のご多忙にお関わりませず、斯くも多数ご参加いただき有難うございます。
本年度、「構造物の健康寿命を延ばすためのシナリオ」と題しまして、全国13都市で補修補強に関するフォーラムを開催いたします。山口は、山口県コンクリート診断士会との共催で、私たちにとりまして2会場目となります。
我が国の社会資本を支える様々なコンクリート構造物は確実に老朽化、劣化が進行しております。
このまま供用し続けると社会資本としての要求性能を満たせなくなる危機に面しています。
それを防ぐには、構造物が適切な性能を維持しうる期間すなわち、構造物の健康寿命を延ばすしかありません。
コンクリート構造物の健康寿命を延ばすには「将来どのように維持管理していくか?」
というシナリオを基に
点検、調査、診断、補修、補強の様々な技術を駆使して構造物の維持管理に取り組んでいかなければならないと考えます。
ひび割れがあるから、ひび割れ補修をする。鉄筋が露出しているから断面修復をするという物理的対処の補修工法で、再劣化が発生しています。
たとえば、ASRが原因のひび割れというだけで、エポキシ3種と決めて補修対策をしていませんか?
私たちは、
・「塩害に効く」とは何を指しているのか?
・「ASRを抑制する」とはどのような状況を指しているのか?
それらを明確にしなければまた再劣化を繰り返してしまうはずだと考えています。
劣化機構に応じて補修材料と工法を選定するだけでなく、それを定量的な観点に立って補修設計することが大切だと考えています。
また、補修後の維持管理シナリオを、経済性を考慮した、時間軸で捉えることも重要です。
・再劣化させない工法が常に正しいとは限らないと思います。
・必要最小限の費用を投じて再劣化を許容する維持管理のシナリオも、構造物の与えられた環境を考えるとあるはずです。
定量的な補修工法と維持管理シナリオを総合的に評価することで、コンクリート構造物の長寿命化の実現、そして持続可能な社会の実現に寄与できると考えています。
昨日と本日の二日間、官・学・産の各分野をそれぞれ代表する講師陣をお迎えしております。
私たちが目指します本年度のテーマ「構造物の健康寿命を延ばすためのシナリオ」をご理解頂き、コンクリート構造物の本来あるべき将来像を見据えた補修設計のきっかけになれば幸いです。
10:05~11:05 演題:「ヨーロッパにおける鉄およびコンクリートに代わる次世代材料開発」
講師:宮本 文穂先生(山口大学名誉教授)
11:15~12:15 演題:「コンクリート構造物の補修・補強設計のポイント」
講師:渡邊 繁氏((株)アースデザインエンジニアリング)
13:15~14:15 演題:「鋼構造物の点検・診断技術の方法と留意点」
講師:和多田 康男氏(宇部興産機械(株))
14:25~15:15 演題:「電気防食技術の解説と応用」
講師:田中一弘(日本エルガード協会 ・ CP工法研究会)所属:㈱ナカボーテック
15:15~15:30 演題:「支承リバイバルシステム」
講師:野村 一貴(ダイクレ興産(株))
15:40~16:40 演題:「コンクリートの初期収縮ひび割れとその予測手法」
講師:中村 秀明先生(山口大学大学院創成科学研究科教授)