(2)亜硝酸リチウムの安全性
亜硝酸リチウムは権威ある「危険・有害物質リスト」にリストアップされていません.
⇒ 亜硝酸は自然界にも普遍的に存在しています
⇒ リチウムは医療分野でも使用されています
亜硝酸リチウムは,表3-5の権威ある「危険・有害物質リスト」にリストアップされておらず,引火性,発火性,爆発性などはいずれもありません.
表3-5 危険・有害物質リスト
機関 | リスト名 | 発行 |
---|
EU | 危険な物質の分類,包装,表示に関する理事会指令 | 平成9年4月 |
(社)日本化学物質安全 ・情報センター | 日本における化学物質の危険有害性分類-基準と物質リスト | 平成6年12月 |
日本産業衛生学会 | 許容濃度等の勧告(1996) | 平成8年 |
~亜硝酸イオンとして~
亜硝酸イオンは自然界では,動植物,肥料を由来とするアンモニア,硝酸などが酸化あるいは還元されて普遍的に存在しています(窒素の循環として広く知られています).従って,亜硝酸イオンそのものは決して安定な状態ではなく,環境条件,微生物の作用などにより常に変化しています.亜硝酸イオンは,自然の河川水中に硝酸,アンモニアなどと同時に含まれており,亜硝酸性窒素として1ppm(亜硝酸として3ppm)程度含まれているとの報告もあります.亜硝酸ソーダは現在,食品添加物として使用されています.
~リチウムイオンとして~
リチウムはナトリウム,カリウムと同様のアルカリ金属イオンです.これらアルカリ金属イオンそのものに対する規制はなく,毒性や有害性は認められません.リチウムは,躁うつ病の改善効果があり,炭酸リチウムが治療薬として使用が許可されています.