(1)劣化程度が軽微な場合の例(予防保全的な対策)
条件
対象構造物
道路橋RCけた
環境
海岸線から700mに位置し、飛来塩分の影響を受ける
試験値
塩化物イオン濃度2.1kg/m
3 外観変状
幅0.1~0.2mm程度の微細ひび割れが見られる
鉄筋腐食
はつり調査の結果、鉄筋腐食はほとんど認められない
補修工法選定の方針
既に腐食発生限界を超えた塩化物イオンが侵入しているものの、鉄筋腐食はまだ顕在化していない。そのため、これ以上の塩化物イオンの侵入を抑制するとともに、鉄筋腐食の原因となる水、酸素の侵入を抑制する。
⇒ 主たる要求性能は【劣化因子の遮断】とする
ただし、塩化物イオン濃度から判断して将来的な鉄筋腐食が懸念されるため、単なる劣化因子の遮断だけでなく、鉄筋腐食抑制効果も加味した補修工法が望ましい。
これらの方針を考慮した補修工法選定比較表の例を図4-0に示す。
図4-0 塩害補修工法比較表の例(劣化程度が軽微な場合)