鹿児島フォーラム
鹿児島県建設センター 大会議室
〒890-0064
鹿児島県鹿児島市鴨池新町6番10号
趣旨説明 13:00~13:10
コンクリートメンテナンス協会会長 徳納剛
本日は平日のご多忙のところ、かくも多数ご参加頂き有難うございます。
本年度、私たちコンクリートメンテナンス協会は、札幌から那覇までの整備局所在地10か所と地方都市3か所を足した13か所で、コンクリート補修に関して最新の知見と技術を紹介するため、フォーラムを開催いたします。
今回の鹿児島フォーラムは9か所目の開催となります。
鹿児島での開催は4回目となります。私たちが提唱しています定量的な調査と補修方法をご理解頂けますよう、よろしくお願いします。
それでは、続いて講演します、江良先生の、「定量的な補修の考え方」について、少し説明をさせて頂きます。
さて、多くの材料や工法の中から、選択をしなくてはいけない「コンクリートの補修」は難しいと思っていました。
しかし、現地調査から材料・工法決定まで、補修設計フローに沿って取り組むと、コンクリート補修はけっして難しいものではありません。
コンクリート補修の設計業務を行うとき、
「劣化機構の特定」から「補修に要求される性能」そして「補修工法の選択」と進んでいきますよね。
まず、劣化機構を特定するには劣化の指標値を求める必要があります。
劣化の指標値とは劣化程度の指標となる数値です。
■ 塩害であれば塩化物イオン濃度の測定値
■ 中性化であれば中性化残りの測定値
■ ASRであれば残存膨張量試験の測定値
そして、要求性能と補修工法を選定するための大切な指標となる数値が腐食発生限界値とも言われますが、劣化指標値の限界許容値です。
・この限界許容値は劣化程度を評価、判断するための基準となる数値です。
・例えば、【限界許容値】は
塩害であれば塩化物イオン濃度:2.0kg/m3
中性化であれば中性化残り:10mm
ASRであればJCI-DD2法による全膨張ひずみ:0.05%
劣化機構と構造物の劣化程度が特定できたら、劣化程度に対応できる、要求される性能【要求性能】を決めます。
その時に大切な判断が、再劣化が許容できるのか、できないのかが大切な要因となります。
そして最後に、要求性能をみたす事が出来る【補修工法】の選択と進めば、
補修とは決して難しいものではありません。
塩害・中性化の【要求性能】で「鉄筋腐食の抑制」があります。
この要求性能に対処できる補修工法で、防錆剤を使った工法の代表格が、本日、第2部で紹介される亜硝酸リチウムを使った工法です。
もう一つの代表格の電気防食工法についにては、東京フォーラムで最新の知見を交えて詳しく紹介させていただきました。
私たちコンクリートメンテナンス協会は、特定の技術の工法協会ではありません。
有効な、正しい、新しい技術を、議論しながら、推進してまいります。
本日の講演の内容が、鹿児島県のコンクリート構造物の長寿命化に貢献できることを祈念いたします。
最後になりましたが、本日の開催に関しまして、当地の会員である㈱南防様に大変ご尽力を頂きました。有難うござました。
本日は午後4時30分までの長時間となりますが、最後までご聴講頂けましたら幸いです。
第一部(80分) 13:10~14:30
「亜硝酸リチウムを用いた塩害、中性化、ASRの補修技術について」
コンクリートメンテナンス協会技術委員長 江良和徳氏
第二部(90分) 14:45~16:15
「劣化機構に応じた補修工法選定の基本的な考え方」
コンクリートメンテナンス協会技術委員長 江良和徳氏
第三部 16:20~16:30
「コンクリート構造物の劣化と表面保護工法について ~塗膜型剥落防止工法と表面保護クリヤー工法~」
日本ペイント販売(株) 中丸大輔氏