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2014年05月23日 建設新聞
構造物の補修工法学ぶ|JCMAがフォーラム開催
一般社団法人コンクリートメンテナンス協会(JCMA、徳納武使会長)は15日、佐賀市文化交流プラザでコンクリート構造物の補修・補強に関するフォーラム2014を開いた。国土交通省や県内自治体、コンサルタント会社などから100人が出席。コンクリート構造物の補修工法選定の考え方や適用性について学んだ。
冒頭、主催者を代表し徳納会長が「コンクリートの補修は難しいとよく聞くが、設計から工事までのシナリオをデザインして、そのシナリオに沿って現地調査から診断、補修設計そして補修工事と流れに沿って取り組むと決して難しいものではない。本日の内容は、最新の知見と補修技術を交え、グレードアップしたフォーラムとなっているので、これからの補修業務の組み立て方の参考にしてほしい」と挨拶。
講演では、極東興和(株)の江良和徳氏(工学博士)が「コンクリートの劣化と補修工法選定の考え方について」、日本ペイント販売(株)の中丸大輔氏(コンクリート診断士)が「コンクリート剥落防止と塗膜型剥落防止システムについて」と題しそれぞれ講演した。
江良氏は、塩害、中性化、アルカリシリカ反応(ASR)などコンクリート構造物の主な劣化のメカニズムや劣化要因に応じた補修工法選定の考え方、亜硝酸リチウムを用いた鉄筋腐食抑制、ASR膨張抑制に効果的な補修工法について講演。「高度成長期に大量に建設された社会資本ストックが、まもなく50年を迎える。今後、著しく劣化したコンクリート構造物が急増してくるが、個々の状況に応じて最適な補修技術、補修材料を選定することが重要」と話し、亜硝酸リチウムを用いた塩害、中性化、ASR補修技術である3種類のリハビリ工法について解説した。最後に「維持管理分野の適切な知識と技術を有する技術者が、常に新しい知見を吸収し、活躍することによってのみ、既設コンクリート構造物の長寿命化が図られる」と語った。
中丸氏は、超厚膜のウレタン、ウレア樹脂塗料を塗るだけでコンクリート劣化、剥落を防止する「タフガードQ-R工法」の施工法などを紹介した。