2014/05/19 晴れ
福岡フォーラム
開催場所
参加申し込み:206人(諸官庁 コンサル・施工業者 )
当日参加: 1人
申込者合計: 207人
参加者: 174人
参加率: 84%
天気:晴れ
九建日報社 編集部次長 土生高作 様 の取材を受けました。
会場は
ステージがあり、
天井は高くスクリーンは備え付けで大きい。
照明、音響も問題なし。
駐車場がないですが、それを差し引いても良い会場です会場
、ロビー、トイレ等 問題はありませんでした。
会長挨拶
徳納武使
本日は平日のご多忙のところ、かくも多数ご参加頂き有難うございます。私は一般社団法人コンクリートメンテナンス協会代表の徳納です。
コンクリートメンテナンス協会は約20年前に広島県で発足しました。広島県は沿岸部では海砂、山間部では融雪剤による塩害が多い地区です。
そのような環境で私たちは補修に取り組んでまいりました。最初は多くの失敗をしました。
次第に失敗しない補修方法が分かってきました。
それを、要望に応える形で今全国でこのような形の講演会を実施しています。
本年度、私たちコンクリートメンテナンス協会は、札幌から那覇まで全国20か所でフォーラムを開催いたします。
本日の福岡が今年4番目の開催となります。
昨年も、私たちの「コンクリート構造物の補修補強に関するフォーラム」をご聴講頂いた方も多くいると思いますが、本日の内容は、最新の知見と補修技術を交え、グレードアップしたフォーラムとしています。
本日の開催に関しては、当協会会員の、極東興和(株)福岡支店、日本ペイント販売九州支店、そして九建日報 に大変なご尽力を頂いたことを紹介させていただきます。
それでは、補修の考え方について、少し話をさせて頂きます。
さて、コンクリートの補修は難しいとよく聞きます。
本日の第一部でお話がありますが、現地調査から材料・工法決定までをフロー通り、取り組むと、コンクリート補修は難しいものではありません。
コンクリート補修設計業務を行うとき、
まず最初に、現地で調査をして劣化機構の特定をします。
それは、塩害なのか、中性化なのか、ASRなのか?
そこで重要なのが
「劣化指標数値」です。
劣化指標値値とは劣化程度の指標となる数値
・劣化指標値を用いることによって、定量的な補修設計を行うことができます。
・例えば、
塩害であれば塩化物イオン濃度の測定値
中性化であれば中性化残りの測定値
ASRであれば残存膨張量試験の測定値
【劣化指標限界値】
・劣化程度を評価、判断するための基準となる数値
・劣化指標値がこの劣化指標限界値を超えているか否かによって、補修方針や要求性能が変わる。
・例えば、
塩害であれば塩化物イオン濃度1.2kg/m3
中性化であれば中性化残り10mm
ASRであればJCI-DD2法による全膨張ひずみ0.05%
この劣化指標値が劣化指標限界値以下だと更なる劣化因子を入れない工法を採用すればいい。
その時に、気象的、地理的環境、そして予防保全の要素を考慮して選定することが大切です。
劣化指標限界値以上の場合もそんなに難しく考えることはないんです。
塩害・中性化の場合、劣化因子を取り除くのか、それとも鉄筋の防錆をするのか?をかんがえます。
■塩分量が高い部分や中性化した部分を取り除き、断面を修復する、全断面修復工法
■電気的に塩分を取り除いたり、アルカリ付与する工法
そして、鉄筋を防錆する工法として
■電気化学的に鉄筋を防錆する方法
■防錆剤を効率的に内部に入れる工法
ASR対策ですと、本日の講演で紹介いたします。リチウムイオンを効率的に圧入する工法でしか科学的に骨材の反応を止めることはできません。
補修設計をする場合、大切なのは、劣化指標値が劣化指標限界値の上か下かです。
劣化因子を取り除く工法の選択か
それとも
劣化を止める工法を選択するのか。
そして、最後に
気象的環境 地理的環境 経済的環境 どれくらい延命したいか。 その橋の重要度
等を考慮して 補修方法を決定すればいいと思います。
LCCを考慮しつつ
ぜったいに 再劣化させない工法を選ぶのか
再劣化するが、 イニシャルコストを抑えて、極力次の工事までのインターバルを延ばす工法を選択するのか。
そして、予防保全を考慮することも大切です。
そのようなフローで補修設計を進めていくと、決して、コンクリートの補修設計は難しいものではありません。
鉄筋の防錆を考えた工法で
防錆剤を使った工法の代表格が、本日の第一部後半で紹介される亜硝酸イオンを使った工法です。
もうひとつの、電気防食工法については、6月27日の東京フォーラムと8月29日の大阪フォーラムで最新の知見を交えて詳しく紹介させていただきます。遠方ではありますが、ぜひお出でください。
われわれの、補修の考え方を、本日の講師の江良先生が 技術資料として作成し、最新の補修の考え方と技術を加え今年4月に改訂しました。
これは、実際の業務に携わっている江良先生がまとめましたので、実務で使える内容になっています。
本日の講演はこの技術資料に沿った内容となっております。
この技術資料の前半は劣化のメカニズムから補修方法まで、わかりやすく解説しております。
また、唯一の亜硝酸リチウムを使った工法の解説本です。 必ず、皆様の業務のお役にたつと確信しております。
私たちコンクリートメンテナンス協会は、特定の技術の工法協会ではありません。 有効な新しい技術を、議論しながら、推進してまいります。
第一部後半の、亜硝酸リチウムの圧入工法は 3つのNETIS技術のくみあわせであり、土木学会・材料学会・コンクリート工学会等で多く発表され、国内各地で多く採用されている技術でございます。
また、本日第二部では、二つのNETIS技術を紹介します。ダイクレ興産の支承狭隘部も防食できる金属溶射技術と日本ペイント販売(株)の最近注目されている、塗膜型剥落防止システムです。お楽しみにしてください。
また、昨年紹介しましたが、亜硝酸リチウムとケイ酸系を組み合わせて、劣化因子の侵入防止と防錆効果の両方を持っ たハイブリッド型含浸工法は多くの現場で採用されてその効果が高く評価されるようになりました。
本日は、多くの補修技術を紹介したいので、三時間半の長時間となりますが、最後までお付き合いお願い申し上げます。
第一部 コンクリートの劣化と補修工法選定の考え方
江良和徳 (極東興和(株) 工学博士 (一社)コンクリートメンテナンス協会技術委員長)
今日も多くの聴衆の前で快調に講演しています。
第二部 支承リバイバルシステム
光永浩一 ダイクレ興産(株) 常務取締役
第二部後半 コンクリート剥落防止と塗膜型剥落防止システム
日本ペイント販売(株) Q-R工法協会 事務局長
受付風景
多くの方に参加して頂きました。
本日は
極東興和(株)福岡支店
長岡さん
日本ペイント販売(株)九州支店
小柳さん
中橋正和さん
塩本剛さん
前川大輔さん
九コン 様
にお手伝いいただきました。
ありがとうございました。
新聞報道
九建日報