2024年7月17日 週刊沖縄建設新聞 コンクリートメンテナンス協会 補修・補強に関するフォーラム開催
2024年7月17日 週刊沖縄建設新聞 コンクリートメンテナンス協会 補修・補強に関するフォーラム開催
(一社)コンクリートメンテナンス協会(JCMA、徳納剛会長)は7月10日、浦添市のアイム・ユニバースてだこホールで「コンクリート構造物の補修・補強に関するフォーラム2024」を開催した。コンクリート構造物の延命化と脱炭素社会の実現を目指し、維持管理技術や補修・補強技術を共有することを目的に行われたもので、会場には建設会社の技術者ら200人以上が来場し、講師の話を熱心に聞いた。
冒頭、徳納会長は「今年度のフォーラムは『持続可能な未来を築くための実践的アプローチ』をテーマに掲げ、コンクリート構造物の健康寿命を延ばすための維持管理の考え方や技術などを具体的に紹介する。コンクリート構造物の維持管理に携わる技術者の方々にとって有益な情報となるよう期待している」と挨拶した。
フォーラムでは、琉球大学の富山潤教授が「沖縄県のコンクリート構造物の劣化の特徴と耐
久設計の変遷」と題して講演。
富山教授は、県内コンクリート構造物が塩害やアルカリシリカ反応(ASR)が要因となって劣化しやすい点を強調。沖縄特有の地理的特徴や気候条件などについて説明し、具体的な劣化事例を紹介した。また、過去に使用された海砂や輸入骨材の影響が劣化の原因とされている点に触れ、設計や使用骨材の変遷についても解説した。劣化対策としてフライアッシュコンクリートの採用や亜硝酸リチウム内部圧入工法の有効性を示し、最後に、ひび割れの原因を推定する調査として静弾性係数試験を用いた調査の必要性を強調した。フォーラムではこのほか、沖縄総合事務局開発建設部の眞栄里和也技術企画官が「最近の建設行政の話題」、同協会の江良和徳技術委員長が「コンクリートの劣化機構を理解して維持管理に活かす」「亜硝酸リチウム設計・施工指針(案)の解説と活用」、㈱CORE技術研究所の真鍋英規社長が「持続可能なコンクリート構造物を可能とする非破壊検査・点検技術」と題して講演した。