2024沖縄フォーラム概要
アイム・ユニバース てだこホール 小ホール
沖縄県浦添市仲間1丁目9番3号
参加申し込み:人
参加者総数:人
参加率:%
10:00~10:10
挨拶・趣旨説明
一般社団法人コンクリートメンテナンス協会
近年、あらゆる分野にて脱炭素社会の構築に向けた検討が進められています。社会資本の根幹をなすコンクリートはその製造時に二酸化炭素を多く排出することから、建設分野におけるカーボンニュートラルへの取り組みは喫緊の課題と言えます。一方、コンクリート構造物の維持管理分野に目を向けると、インフラ長寿命化計画に基づいた点検、調査、補修のメンテナンスサイクルが定着しつつあり、ますます重要度が高まっています。さらに、適切な補修を行って構造物の延命化を図ることによって、二酸化炭素排出量の多い撤去・新設工事を減らすことができます。すなわち、コンクリート構造物の健康寿命を延ばすことは脱炭素社会の構築に寄与し、それが持続可能な社会を実現することに繋がると考えられます。
本年度のフォーラムでは、「持続可能な未来を築くための実践的アプローチ」をテーマに掲げ、コンクリート構造物の健康寿命を延ばすための維持管理の考え方、調査点検技術、補修・補強技術に関する実践的な内容を具体的に紹介いたします。また、国土交通省からは「国土交通行政に関する動向」について、学術分野からは「維持管理分野に関する最新動向」について解説を頂きます。
我が国のコンクリート構造物は確実に高齢化が進み、直ちに対策が必要なものも少なくありません。また、事後保全から予防保全への移行も確実に進めなければなりません。それらに対して適切な調査・診断・補修設計・補修工事を行うことは維持管理に関わる技術者の責務です。今年も、本フォーラムがコンクリート構造物の維持管理業務に携わる技術者の皆様の光明になる内容を提供できるよう努めます。
10:10~11:00
演題:「建設行政の最新動向(仮)」
講師:内閣府 沖縄総合事務局 技術企画官 眞栄里 和也 様
11:10~12:10
演題:「コンクリートの劣化機構を理解して維持管理に活かす」
講師:江良 和徳氏(コンクリートメンテナンス協会 技術委員長)
13:10~14:10
演題:「沖縄県のコンクリート構造物の劣化の特徴と耐久設計の変遷」
講師:富山 潤先生(琉球大学教授)
14:20~15:50
演題:「亜硝酸リチウム設計・施工指針(案)の解説と活用」
講師:江良 和徳氏(コンクリートメンテナンス協会 技術委員長)
16:00~17:00
演題:「持続可能な未来を築くコンクリート構造物の非破壊検査・点検技術」
講師:真鍋 英規 氏(CORE技術研究所)
その他
2024年7月17日 週刊沖縄建設新聞 コンクリートメンテナンス協会 補修・補強に関するフォーラム開催
(一社)コンクリートメンテナンス協会(JCMA、徳納剛会長)は7月10日、浦添市のアイム・ユニバースてだこホールで「コンクリート構造物の補修・補強に関するフォーラム2024」を開催した。コンクリート構造物の延命化と脱炭素社会の実現を目指し、維持管理技術や補修・補強技術を共有することを目的に行われたもので、会場には建設会社の技術者ら200人以上が来場し、講師の話を熱心に聞いた。
冒頭、徳納会長は「今年度のフォーラムは『持続可能な未来を築くための実践的アプローチ』をテーマに掲げ、コンクリート構造物の健康寿命を延ばすための維持管理の考え方や技術などを具体的に紹介する。コンクリート構造物の維持管理に携わる技術者の方々にとって有益な情報となるよう期待している」と挨拶した。
フォーラムでは、琉球大学の富山潤教授が「沖縄県のコンクリート構造物の劣化の特徴と耐
久設計の変遷」と題して講演。
富山教授は、県内コンクリート構造物が塩害やアルカリシリカ反応(ASR)が要因となって劣化しやすい点を強調。沖縄特有の地理的特徴や気候条件などについて説明し、具体的な劣化事例を紹介した。また、過去に使用された海砂や輸入骨材の影響が劣化の原因とされている点に触れ、設計や使用骨材の変遷についても解説した。劣化対策としてフライアッシュコンクリートの採用や亜硝酸リチウム内部圧入工法の有効性を示し、最後に、ひび割れの原因を推定する調査として静弾性係数試験を用いた調査の必要性を強調した。フォーラムではこのほか、沖縄総合事務局開発建設部の眞栄里和也技術企画官が「最近の建設行政の話題」、同協会の江良和徳技術委員長が「コンクリートの劣化機構を理解して維持管理に活かす」「亜硝酸リチウム設計・施工指針(案)の解説と活用」、㈱CORE技術研究所の真鍋英規社長が「持続可能なコンクリート構造物を可能とする非破壊検査・点検技術」と題して講演した。