2023/05/17JCMA会員10名は「軍艦島」に上陸しました。
2023/05/17 晴天
JCMAは長崎市の軍艦島に建築学会・コンクリート工学会主催の暴露試験に参加しています。
今回は、協会委員10名で晴天の下常緑をしました。
8時30分、常盤桟橋に集合して、約30分のクルージングで、軍艦島に到着。
まずは集合して、東京理科大学の今本先生の注意事項を聞いて、今本先生の案内で島内をめぐりました。
軍艦島の歴史、塩害環境下のRCの劣化等の解説を聞きながら、島内を巡りました。
午後は思い思いに島内を巡りました。
16時30分に帰りの船に乗船して長崎港に戻りました。
年2回の行事ですが、コンクリート構造物の補修に関わる技術者として勉強になる研修事業だと思います。
上陸
島内ツアー
今本先生の解説で島内ツアーをしました。
塩害劣化が進行するRC建造物
年々劣化が進行しています。
集合写真
会員の感想
ICG株式会社 岩崎 健太郎
今回の軍艦島研修ツアーでは、想像を絶する驚きや発見を肌で感じることができ、また大変感銘いたしました。
特に勉強になったのは、終戦前後の居住区でした。北棟、東棟、南棟と、築年数の差はあまりないにもかかわらず、経年劣化の速度が各棟それぞれ違うことに驚きました。
施工方法、コンクリート内塩分濃度により、経年劣化の速度を構造物として一目で見ることができるのは、ここ軍艦島ぐらいではないかなと感じました。
また、コンクリート内塩分濃度だけでなく、剥離した断面からASRも確認できました。
また、鉄筋の錆方一つとっても各所で違っていたり、外壁のレンガ部分には炭を混ぜて作られたものがあるなど、たくさんの発見がありました。
今後、コンクリート構造物の保全や修復に携わるものとして、大変貴重な経験をさせていただくことができました。
また、JCMAの一員として、亜硝酸リチウムをもっとPRしていきたいという意欲を湧きたてられる体験でもありました。
㈱田中組 田中誠志
軍艦島研修に参加して
今回、JCI様の軍艦島での定期供試体試験のための定期上陸に同行させていただき参加させていただ
きました。当日は、長崎の出島の長崎港から出港して約40分位航海すると軍艦島が現れてきました。
その姿は現在とは別世界のような衝撃を感じた、独特な雰囲気でした。
上陸してすぐに現れたのは崩れた建物の跡であろう壁と丘の上に建つ建物と灯台で、日本とは思えない
風景です。島内の建物や施設をJCIの先生に案内していただき、日本最古の鉄筋コンクリート造りの高層
住宅や築造年代の異なる高層住宅が3棟隣接して建ち並びその劣化の程度の違いを直に見れました。
建物の中にも入る事が出来、劣化していて通行方法には注意点がいくつかありましたが。中は当時の
生活感が感じられるままで、約5000人もの人が住んでいた壮大さが感じられました。
建物等の環境は海からの飛沫や潮風でとれも厳しく、また材料も塩分がかなり含まれていたと想像される
状況で今日まで残っており、当時から劣化が早かったのであろう、補修の跡が見られると説明がありま
した。構造物の劣化のメカニズムを知るのに重要な標本だと感じました。
また、コンクリートメンテナンス協会が軍艦島で色々な供試体を設置して継続的な調査を行っている事
も知りました。
今回の研修でまず全員でJCIの先生の説明を受けながら主な建物や施設を見て回り、その後、数名で
島内を見て周りました。見て回っているとどこかでコンクリートの破片が落ちる音が聞こえてきました。
また、研修で知り合った協会の方とも意見交換ができとても有意義な研修が出来ました。
軍監島研修に参加する機会があれば、是非参加してみて下さい、その想像を絶するコンクリート構造物
の劣化の凄さを感じてられると思います。
最後
極東興和株式会社 津村 尚侑
この度は軍艦島研修ツアーに参加させて頂きありがとうございました。
東京理科大学の今本先生のご案内のもと島内を見学させて頂き、軍艦島の歴史や劣化の現状など様々な知見を得ることが出来ました。特に印象的だったのが、65号棟というコの字型の集合住宅でしょうか。北棟・東棟・南棟で建築年が異なっているため、連続した構造物でありながら劣化度に大きな差があり、軍艦島の塩害環境の厳しさを痛感致しました。その他、カーンシステムという関東大震災以前に使われていた配筋方式や、現存するものとしては世界最古ともいわれるASRの痕跡など、他では見られない構造方式や劣化機構を目の当たりにすることが出来、大変貴重な体験となりました。
株式会社アズマ 桂田知子
上陸日:2023年5月17日
会社名:株式会社アズマ
氏 名:桂田知子
天候に恵まれ、大海に浮かぶ軍艦島は船から見るだけでも圧倒されましたが、一歩島内に踏み入るとそこには別世界が広がっておりました。タイムスリップでもしたような、俗世とは別の異世界に来てしまったような不思議な感覚でした。
島内を先生に案内していただき、コンクリートの劣化について、構造物の歴史について大変勉強になりました。特に、建てられた年はあまりかわらないのに、劣化状況が大きく異なる建物があり、その原因は使用した材料によるものだと教えていただきました。含まれる塩分量の違いで、劣化の程度も大きく変わることがよくわかりました。また、同じ建物内でも劣化の程度が違う箇所があり、程度が軽い部分については当時補修されていた箇所であると聞きました。現在、維持補修やメンテナンスが注目されておりますが、補修はやはり大切で、構造物の維持につながることが実感できました。
維持補修に携わるものとして、また個人的にも島内の散策は、勉強になったことはもちろんですが、楽しく、ちょっとした怖さもあり、ドキドキもあり本当に貴重な経験でした。ありがとうございました。