2022年11月2日 建設速報 笹ヶ峰ダム補修工事で現場見学会
笹ヶ峰ダム補修工事で現場見学会
県コンクリート診断士会12名が参加
コンクリートメンテナンス協会が主催
(一社)コンクリートメンテナンス協会(極東興和(株))が主催する笹ヶ峰ダム補修工事の現場見学会が10月26日と27日の2日間、開催された。
今回の現場見学会は、「関川用水農業水利事業笹ヶ峰ダム洪水吐施設補修工事」の現場で、発注者となる北陸農政局関川用水土地改良建設事務所および施工者である久保田建設(株)の協力により実施したもので、同現場で採用されている亜硝酸リチウム内部圧入工(ASRリチウム工法)の施工の様子を公開した。
このうち、新潟県コンクリート診断士会のメンバー12名が参加した26日の見学会では26日の見学会では、コンクリートメンテナンス協会の杉澤茂則委員(極東興和(株)東京支店・営業部営業課課長)らによる工事概要および工法技術を説明する座学が行われたほか、同現場の現場代理人を務める中沢寛之氏(久保田建設(株)・工事部土木課主任)らが実際の施工現場を案内した。
見学会に参加した新潟県コンクリート診断士会の近藤治副会長らは、アルカリシリカ反応(ASR)の劣化状況などを写真に撮るなど視察しながら、同工法を採用した経緯など様々な質問をしていた。また、見学会終了後、取材に答えた近藤副会長は、「補修材の仕組みなど理解を深められた」と話し、今後のコンクリート診断や補修に向けて知見を深めていた。
亜硝酸リチウム内部圧入工(ASRリチウム工法) アルカリシリカゲルを非膨張化する性質を持つリチウムイオンを亜硝酸リチウム水溶液とういう状態でコンクリート内部に圧力をかけて浸透させ、以後のアルカリシリカ反応(ASR)を抑制する工法。
従来工法や従来工法に亜硝酸リチウムを加えた工法では、再劣化までの期間を延命するのみで、数年ごとの補修が必要となっていた。一方、本工法では、劣化進行を根本的に抑制する(再劣化を許容しない)ことからイニシャルコストは掛かるものの、ライフサイクルコストは安価なものとなっている。