2022年5月17日 中建日報 補修・補強フォーラム2022がスタート
補修・補強フォーラム2022がスタート
全国20会場で3年ぶり通常開催
コンクリートメンテナンス協会
コンクリートメンテナンス協会(徳納剛会長)が主催する「コンクリート構造物の補修・補強に関するフォーラム2022~コンクリート構造物の健康寿命を延ばし、脱炭素社会を目指す~」が12日と13日の広島フォーラムを皮切りにスタートした。当日は、綿密な感染対策のもと2日間延べ約500人が参加。島根・岡山・山口及び東京・大阪・福岡を含む全国20会場で開催し、維持補修の最新知見や技術動向などを広める。
コロナ禍の影響を受け、3年ぶりとなる通常開催。徳納会長(福徳技研)は主催者あいさつで、「フォーラムを開催できなかった2年間も着実にコンクリート構造物の劣化は進行してしまった。来年には50歳を超える橋が45%に達する」と自粛期間の苦悩を強調。「この2年間にSDGsやカーボンニュートラルの機運が高まり、これらに貢献する新たな技術も登場してきたが、実用化には時間がかかると思われ、やはり適切な点検・診断によって予防保全や補修を図ることで、健康寿命を延ばすことが重要。本フォーラムが構造物の健康寿命を延ばすヒントになれば幸いだ」と述べた。
広島フォーラムには、2日間で延べ9人の講師が登壇。中国地方整備局の梅田俊夫道路保全企画官は、「持続可能な老朽化対策の取り組み取組について」をテーマに、国の施策の最新動向を解説したほか、広島工業大学の竹田宣典教授は、「コンクリート構造物の予防保全と長寿命化」と題して計画的な点検・補修の重要性を説き、京都大学の宮川豊章特任教授は、「コンクリート構造物の健康寿命をカーボンニュートラルの中で確保するために」とし、構造物を丈夫で美しく、長持ちさせるための知見を披露した。
また、同会顧問で近未来コンクリート研究会の十河茂幸代表は、「予防保全を目的としたコンクリート構造物の点検要領」「亜硝酸リチウムによる補修の設計・施工指針(案)改訂版の概説」、江良和徳技術委員長は「維持管理シナリオを考慮したコンクリート補修工法選定の考え方」「亜硝酸リチウムを用いたコンクリート補修一問一答」をそれぞれ担当した。
今後の開催予定は、山陰(島根)フォーラムが6月2日、岡山フォーラムが6月30日、山口フォーラムが8月3日を予定。大阪フォーラムは6月8日と9日、東京フォーラムは6月14日と15日、福岡フォーラムは10月3日と4日の2日間日程でそれぞれ開催される。