2020年、2021年、私たちは新型コロナウイルス禍の影響で「コンクリート構造物の補修補強に関するフォーラム」を開催することができませんでした。
その2年間に
・着実にコンクリート構造物の劣化は進行しました。
・令和5年には50歳を超える橋が45%に達します。
・そしてこの2年間に、SDG‘sやカーボンニュートラル等の地球温暖化対策に取り組む機運が高まりました。
・その流れを受けて、CO2をコンクリートに閉じ込める技術やセメントを使わないジオポリマー等々の技術がNEWSとして登場してきました。
しかし、実用化されて普及するには、まだまだ年月が必要と思われます。
地球温暖化は早急な対策が求められています。
二酸化炭素削減の有効な手段の一つが、構造物の作り替えよりも、セメントの使用量を削減できる補修技術で、コンクリート構造物の健康寿命を延ばすことだと思います。
また、構造物の健康寿命を延ばすことは、国家や地方自治体の限られた予算内で、より多くの社会資本の安全な共用が可能となります。
一昨日、健康診断を受けました。人間は、体を診断して、予防保全することで、健康年齢を下げることを、医療は目指しています。
コンクリート構造物は、診断して、予防保全・補修することで、健康寿命を延ばすことを私たちは目指しています。
全国に73万橋の橋があるといわれています。それらの橋を適切な点検・診断して予防保全あるいは補修補強することで、健康寿命を延ばすことが私たち技術者に科せられた大きな責務と考えます。
本日のフォーラムがコンクリート構造物の健康寿命を延ばすヒントになれば幸いです。
長時間の講習会になりますが、最後までよろしくお願い申し上げ、主催者の挨拶とさせていただきます。