2021年3月2日 中建日報 今年度2回目のテーマ別協議会 対面・オンライン併用で議論
今年度2回目のテーマ別協議会
対面・オンライン併用で議論
近未来コンクリート研究会
近未来コンクリート研究会(十河茂幸代表)は18日、2020年度第2回目となるテーマ別協議会(C、M、P)を広島市中区で開いた。この日の協議会では、対面とオンラインを組み合わせた「ハイブリッド方式」を初めて採用。約30人が熱の入った議論を展開し、今年7月に予定するの総会で3年間に渡る活動の成果報告を行うことを申し合わせた。
同研究会は、コンクリート構造物の長寿命化に向けた異業種間連携を目的に、元広島工業大学教授の十河代表らが中心となって18年に設立したもの。
メンバーは「初期ひび割れ抑制技術(C)協議会」「延命化のための維持管理技術(M)協議会」「コンクリートの生産性向上(P)協議会」の3つの協議会に分かれ、各分野の専門家が垣根を越えた意見交換を行っている。
この日の協議会のうち、広島工業大学工学部の竹田宣典教授が主査を務める「C協議会」では、初期ひび割れ抑制の目的や性能への影響を明確化することが必要としたほか、材料・施工面及び誘発目地の設計などの抑制対策について、費用対効果で判断することの重要性を指摘。今後、チェックリストの作成など、抑制策の提案に向けて整理することとした。
極東興和の江良和徳氏による「M協議会」では、RC構造物の延命化技術を一覧表で紹介し、これを充実させるための議論を展開。コンクリートメンテナンス協会と共同作成した「小規模橋梁の簡易点検要領(案)」や「コンクリート構造物を対象とした亜硝酸リチウムによる補修の設計・施工指針(案)」の成果報告などもなされた。
広島工業大学建築学部の坂本英輔准教授を主査とする「P協議会」では、コンクリート工事の生産性向上技術の数々に加え、同協議会メンバーらで昨年11月に実施したダムのオートメーション施工現場の視察結果などを報告した。
十河代表は、今回初試行した「ハイブリッド式」について、「オンラインを併用することで遠方からも参加しやすくなる。ポストコロナ時代への良い対応事例にもなるので、今後も継続していきたい」と話していた。
なお、同会の活動は、7月の成果報告で3協議会の活動が一区切りとなるが、以降も研究会自体は継続する。5月に開く次回の協議会で新たなテーマを議論する予定だ。