2013/05/29 曇り時々小雨
リハビリカプセルの現場視察
昨日の松江に続いて二日目、
昨夜は倉吉市に宿泊した。
現在、倉吉市内の一の宮橋で、塩害対策として、リハビリカプセルで、亜硝酸リチウムを高圧注入をしています。
松江フォーラム終了後に、現場に寄って、リハビリカプセルの施工状況を確認しました。
本日の午前中は、鳥取県の発注事務所を訪問して、工法の説明を行いました。
鳥取フォーラム
日本ペイント販売の中島マネージャーと松本明彦先生、三興塗料㈱の長子さん、極東興和㈱木だ所長
とりぎん文化会館(鳥取市尚徳町101番5号)第一会議室で開催されました。
アリーナ形式の、美しい会場です。
参加申込者:54人
参加者:45人
参加率:83.4%
鳥取県では、高圧注入の実績が2例目です。
新しい工法に敏感な土地柄なので、熱心に聴講してもらいました。
質疑の時間も設けました。
会長挨拶
本日は平日のご多忙のところ、かくも多数ご参加頂き有難うございました。一般社団法人コンクリートメンテナンス協会代表の徳納です。
本年度、私たちコンクリートメンテナンス協会は、札幌から那覇まで全国25か所でフォーラムを開催いたします。
鳥取市での開催は今年で4回目になります。そして、本年度、7か所目の都市での開催になります。
昨年までは、コンクリート劣化のメカニズム、そして、その対処工法についてを重点に開催しました。
そして、今年からは、補修工法選定の考え方について重点を置いた内容としています。
コンクリートの補修は決して難しくはありません。
本日の第一部でお話がありましが、補修のシナリオをデザインしてそのシナリオに沿って調査から診断、補修設計に取り組むと難しいものではありません。
コンクリート補修を行うとき、まず現地で調査して
劣化原因と劣化因子の特定をします。
それは、塩害なのか、中性化なのか、ASRなのか?
二番目に、症状のグレード、潜伏期、進展期、加速期、劣化期のどこに位置するのかを確認します。
そのためには、その数値的裏付けの確認が必要です。
塩害だと塩分量、中性化だと中性化残り、ASRだと残存膨張量などです。
三番目に、求められる補修結果の要素を加える。それは、置かれた気象的環境、や、どれくらい延命したいかなどです。
そして、最後に、補修方法の決定と進めば
コンクリート補修とは決して難しいものではありません。
補修工法は二つの考え方があります。
・劣化因子を入れない補修方法の検討なのか?
・それとも、既に劣化因子が入ったものの補修の検討なのか?
劣化因子を入れない方法は、環境に応じて、要求される性能を考慮して、被覆材を選択すればいいと思います。
そして、
劣化因子がすでに入ったコンクリートの補修は、難しそうですが、実は選択肢があまりないのが現実です。
塩害・中性化による劣化ですと、鉄筋防錆を目的とした工法になります。
鉄筋防錆を目的とした工法は、電気防食かもしくは防錆剤を使った工法になります。防錆剤を使った工法の代表格が、亜硝酸イオンを使った工法です。
また、ASRだと、リチウムイオンを効果的に内部圧入する工法でしか化学的には劣化の進行を止められないのです。
このようなシナリオで考えを進めていけば、簡単な方程式の問題を説くように出てきます。
そのような話を本日の第一部で行いますので、業務のご参考にしてください。
われわれは工法協会ではありませんが、最終的にたどり着いた工法の「亜硝酸リチウムの圧入技術」の話を第一部後半に行います。
この亜硝酸リチウムの圧入工法は 3つのNETIS技術のくみあわせであり、土木学会・材料学会・コンクリート工学会等で多く発表され、国内各地で多く採用されている技術でございます。
鳥取県では施工事例が2例あります。現在も倉吉で施工中です。鳥取県は新しい補修技術を取り入れる、補修先進地だと思います。
われわれの、補修の考え方を、本日の講師の江良先生に技術資料として作成して頂きました。
これは、実際の業務をする江良先生がまとめましたので、実務で使える内容になています。
この技術資料の前半、劣化のメカニズムから補修方法まで、わかりやすく解説しており、また、唯一の亜硝酸リチウムの解説本です。 必ず、皆様の業務のお役にたつと確信しております。
本日のフォーラムの第二部として、最近注目されている新技術の日本ペイントの剥落防止対策工法の紹介をさせて頂きます。
広島市では、跨道橋からコンクリート片が剥落して、自動車のボンネットに落ちる事故が発生して、毎日新聞紙上を賑わせています。
私たちコンクリートメンテナンス協会は、有効な新しい技術を、議論しながら、推進しています。
たとえば、本日の配布資料に入れていますが、支承狭隘部も重防食できる、金属溶射工法を紹介していますし、
亜硝酸リチウムとケイ酸系を組み合わせて、劣化因子の侵入防止と防錆効果の両方を持った含浸工法も本年度から取り組んでいます。